現在のお仕事について教えてください。
ニューヨークの国際連合日本政府代表部の勤務後、バージニア大学経済学博士課程を経て、世界銀行に入行しました。世銀勤務もそろそろ15年を迎えようとしています。現在はタンザニア・ダルエスサラームをベースにして、ブルンジ、マラウィ、ソマリア、タンザニア担当のリードエコノミストとして、同4か国に対する世銀の経済政策支援プログラム(マクロ経済、財政、金融、貿易・産業、公共セクター、貧困緩和等)全般の統括をしております。
全米団での経験はこれまでのキャリアや人生にどのような影響がありましたか?
1990年の日本模擬国連委員会委員長や同年の全米代表団員など、大学学部時代は模擬国連にどっぷりつかる生活でしたが、そのおかげで、その後国連代表部勤務を通じて本物の国連会議に参加する際、極めて自然に国連外交に入り込むことができたと思います。また分野こそ異なる現在のキャリアですが、模擬国連の基本であるリサーチに基づいた議論・交渉、そしてマルチ外交のセンスは、国際公務員として、現在も日常的に役立っております。
今後のビジョンを教えてください。
ブルンジ、ソマリアといった国内政治が不安定な脆弱・紛争国も、甚大なマクロ経済問題を抱えています。経済危機が人道危機に進まないよう、如何にイノベイティブなアプローチで世銀の支援方法を考えるかが、現在の仕事のテーマです。また、アフリカの低所得国関連の勤務が長いので、他地域の中所得国の担当にまわり、開発エコノミストとしてのキャリアに多様性をつけることも将来の目標です。あとは限られた時間でも自己の研究活動を続け、エコノミストとして技術的な知識・能力が鈍らないようにすることでしょうか。