12代 小長谷 英揚


現在のお仕事に就かれた経緯を教えてください。

 

 大学時代に考えていたのは、第一に能動的なアクターとして国家間関係に関わりたい、第二に仕事を通じて日本および国際社会に貢献したい、第三に職業を通じて自分を高めたいということでした。その考えは今でも基本的に変わっていませんし、この職業を選んで良かったと思っています。

振り返ってみれば、大学に入学した頃、国際機関職員か外交官になりたいと思っていたことが、そもそも模擬国連というサークルに興味を持ったきっかけでした。全米派遣事業で外務省員や国連職員の方々から話を伺い、具体的な進路として外交への志が固まったと思います。

 

 

全米団から得たものは何ですか。

 僕の場合、大学の専攻が国際関係論だったこともあり、大学で学んだことと模擬国連から学んだことが渾然一体というのが正直なところです。模擬国連での活動は、議論や交渉、説得の訓練になったと思います。あと「仕事はほどほどに」ということも教訓かな。でも、仕事が面白くてついついのめり込んでしまうのは今でも変わっていません。自分にとって一番大きいのは、様々な人との出会いがあったこと。当時も今も、模擬国連の仲間からは良い刺激を受けて続けています。

 

 

全米団はこれまでのキャリアや人生にどのような影響がありましたか?

 

 社会に出てから、「あ、これは模擬国連のおかげだな」と、特に意識する瞬間はあまりありません。ただ、国際関係についての背景知識とか、議論・説得・文章作成の技術、組織としての仕事の進め方など、模擬国連活動を通じて得たものも相当あるはずです。そういう意味では、自分でも意識しないくらい血となり肉となっているともいえます。

 

 

今後のビジョンをお聞かせください。

 

 現在は、ワシントンの日本大使館政務班で、朝鮮半島とロシアを担当し、情報収集に奔走する毎日です。外務省入省以来、東アジアの安全保障に関心を持ち続け、日米関係、安全保障政策、対中外交等に関わる機会を得ました。将来は、地域の平和と安定に貢献できる戦略的視野や能力・知見を蓄積すべく引き続き研鑽したいと思います。

国連関係では、2016~2017年の安保理非常任理事国期間中に東京の本省サイドで安保理外交に関わることができたので、いつかは国連代表部でも勤務してみたいと希望しています。

 

 

最後に一言お願いします。

 外交を通じて世界をより良いものに変えることは可能です。模擬国連を通じて関心を持たれた方は、是非、国際機関や外務省の扉をたたいてみてください。




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